講演会事例 森宏明選手と村岡桃佳選手が対談! スポーツボランティアとともにつくる競技の舞台

主催者
渋谷区 学びとスポーツ部 学びとスポーツ課
講師
森 宏明 選手(パラノルディックスキー、パラ陸上、車いすソフトボール)
森宏明選手と村岡桃佳選手が登壇。パラノルディックスキーの写真が映し出されている。
開催日
  • 2026.07.18(土)
場所
  • 渋谷区役所
対象
  • 渋谷区スポーツボランティア、その他本イベントに興味のある人
参加人数
  • 56名

ふたりのパラアスリートが語った、雪上競技への挑戦

渋谷区役所で、スポーツボランティアや一般参加者を対象とした公開講座が開催されました。東京パラくるの講師として登壇したのは、パラノルディックスキーの森宏明選手(朝日新聞社)です。同じくゲストとして登壇したパラアルペンスキーの村岡桃佳選手(トヨタ自動車)との対談や、渋谷区スポーツボランティアとの座談会や交流を通じて、競技の魅力や挑戦を続ける意味、選手と支える人がともにスポーツの舞台をつくることの大切さを伝えました。

森選手は高校2年生のとき、交通事故で両足を失い、義足を使用しています。村岡選手は4歳の頃に病気で車いす生活となりました。対談では、それぞれの障害や競技との出会い、これまでの歩みを語りました。

森選手が取り組むパラノルディックスキーは「雪上のマラソン」とも呼ばれ、長い距離を滑り続ける持久力や戦略が求められます。一方、村岡選手のパラアルペンスキーは、チェアスキーで滑る際に時速120kmを超えることもあり、瞬時の判断と冷静さが欠かせません。互いに「アルペンは怖い」「山は下るものだと思っていた」と笑い合う場面もあり、同じ雪上競技でありながら異なる魅力が親しみやすく伝えられました。

また、森選手はスキー競技における自身の課題を克服するため、陸上競技に挑戦した経験を紹介。村岡選手も陸上競技に取り組んでおり、ふたりは、新たな競技への挑戦が身体面や精神面の成長につながり、スキー競技にも活かされたといいます。森選手は、「異なる世界に一歩踏み出すことで、自身をアップデートする機会にもなった」と振り返りました。





会場の様子。渋谷区スポーツボランティアの方など多くの方が参加し、両選手のトークショーを聞いている。




ボランティアはひとつの舞台をつくるチームメイト

後半は、渋谷区スポーツボランティアの参加者を交えた座談会が行われました。座談会では、活動を始めたきっかけや魅力について意見を交換。参加者から聞かれたのは、「見るだけのときより、ボランティアとして関わった方が何倍も楽しかった」「活動を通じて人と人がつながることも魅力」といった声です。

村岡選手は、競技がボランティアに支えられていることを改めて実感したと語りました。森選手も、楽しみながら一歩を踏み出す参加者の姿勢に感銘を受けたといいます。さらに、ご自身の大会出場の経験から、選手とボランティアは、ひとつの舞台をともにつくる「チームメイトのような存在」だと語りました。

座談会の後には、森選手とのミニ交流会も実施されました。会場内に設けられたブースに参加者が次々と訪れ、森選手との会話を楽しんだり、一緒に写真を撮ったり、サインを求めたりする姿が見られ、和やかな交流の時間となりました。





森宏明選手が参加者と交流。サインを書いている。




自分から社会へ働きかけて、挑戦する人を増やしたい

今回、ボランティアをテーマの一つとしてお話しする中で、競技者は日頃から多くの方々に支えられて大会に臨めているのだと、改めて感じました。ボランティアの皆さんがどのような思いで活動しているのかを知り、むしろ僕自身も「参加してみたい」と思うほど、多くの学びがありました。

これまでは、競技で結果を出すことがアスリートの価値だと思われることが多かったかもしれません。ただ僕は、「なぜパラスポーツに挑戦したのか」、「挫折した人生をどのように立て直してきたのか」という経験にも、誰かの挑戦を後押しできる価値があると思うようになりました。

今後の目標を考えたときに、これからは、自分の経験を社会的な資産として惜しみなく共有し、挑戦する人を増やす側にもなりたいです。パラスポーツの世界で何かを待つのではなく、自分から社会へ出ていく。競技だけにとどまらず、社会とのつながりを草の根からつくっていきたいと思っています。

森宏明選手が微笑みながら前を向いている。




主催者コメント

渋谷区では、400人以上のスポーツボランティアが登録していますが、アスリートから直接話を聞く機会は多くありません。今回の公開講座を通じて、パラスポーツの本質的な魅力や、アスリートがどのような視点で競技に向き合っているのかを知り、学びを深めていただきたいと考えました。アスリートを招くにあたり、東京パラくるを活用できたことも大変ありがたく感じています。

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