- 実施事例
- 知って、触れて、楽しむ! パラバドミントン長島理選手の講演・体験会
講演会/体験会事例 知って、触れて、楽しむ! パラバドミントン長島理選手の講演・体験会
- 主催者
- 小平市立小平第十五小学校
- 講師
- 長島 理 選手(パラバドミントン)

- 開催日
-
- 2025.10.07(火)
- 場所
-
- 小平市立小平第十五小学校
- 対象
-
- 小学3年生
- 参加人数
-
- 76人
努力は一生、チャンスは一瞬
パラバドミントンで世界を舞台に活躍している長島理選手が、小平市立小平第十五小学校の3年生を対象に講演と体験会を行いました。
車いすバドミントン歴は24年。これまでに世界選手権で12個、アジア選手権で11個のメダルを獲得するなど、国際大会で数多くの実績を残してきました。現在は民間企業で環境技術の研究開発職として働きながら、アスリートとして活動しています。
講演では自身の半生を語り、後半の体験会では子どもたちが競技用車いすに乗って鬼ごっこやシャトルキャッチ(ラケットで打ち上げたシャトルを、競技用車いすに乗った子どもたちが手でキャッチする遊び)などを楽しみました。
はじめに、子どもたちが体育館に集まり、講演会が行われました。長島選手は、サッカー少年だった小学生の頃の思い出から、パラバドミントンで活躍するまでの道のりを紹介。大学時代に交通事故に遭い、脊髄を損傷して2か月間寝たきりの生活を送る中、友人の「大学に戻ってこいよ」という言葉で再び前を向いたと語りました。
「生きるか死ぬかのギリギリを経験し、社会復帰できるまでの期間が人生で一番辛かった」と話す長島選手。元気だったのに歩けなくなってしまい挫折したこと、車いすでもスポーツができること、パラリンピックに出場した際のエピソードなど、子どもたちは一つひとつの話に興味深く耳を傾けました。
長島選手は「努力は報われるとは限らない。でも、努力をしなければチャンスはつかめない。1点の差が人生を変える」というメッセージを子どもたちに送りました。また、「スポーツ選手こそ勉強が大事。国際大会では英語が必要になる。皆も普段の勉強を頑張ってほしい。」と、学ぶ力の大切さにも触れました。
まずは知って、触れてみることから
最初はおっかなびっくりだった子たちも、すぐに慣れて笑顔で取り組んでくれました。「習うより慣れろ」、ですね。楽しんでくれたのが何よりうれしいです。
小学3年生くらいだと、車いすの人に出会う機会はあまりないと思います。「こういう人もいる」「車いすでもスポーツができる」「一緒に楽しめる」。今回、こうしたことを知ってもらえたことがよかったです。
私が競技を始めた2001年頃は、まだ車いすバドミントンは『福祉』の印象が強いものでした。でも、東京パラリンピックをきっかけに『スポーツ』として大きく変化したことから、競技人口も増え、社会の見方も変わりました。
これからも競技や講演活動を通じて、パラスポーツの魅力をもっと広げていきたいと思っています。今、僕の名前を冠した『ナガシマカップ』という大会を企画しています。パラリンピックへの出場経験の有無で点差をつけるなどのインクルーシブ・ルールで、誰にでもチャンスがある大会にしたいです。
パラスポーツの世界には本当にいろいろとお世話になってきました。求められることにしっかりと応えながら、自分にできることにも挑戦していきます。
依頼者コメント
本校の児童に、障がい・パラスポーツについての理解を深め、共にスポーツを楽しむ経験を味わってほしいと思い、依頼しました。パラリンピックで活躍した選手が来てくださり、たくさんの写真とともに、ご自身の障がいやパラリンピックに向かう経験を聞くことができました。体験会でも、子どもたちに合わせた体験を組んでくださり、スポーツを楽しく実施できました。
-
戻る
もっとやりたい! 子どもたちの競技用車いす体験会が大盛り上がり
体験会はクラスごとに、8〜9人ずつに分かれて順番に実施。競技用車いすに乗り、前後の動きや方向転換の動きなどを練習しました。3年生の力でも軽々と動かすことができ、すぐに慣れて「面白い!」と軽快に操作する子もいました。
最初の体験は、鬼ごっこ(氷鬼:タッチされるとその場で動けなくなる鬼ごっこ)。長島選手が鬼になって、逃げる子どもたちを追いかけます。まだ自在には動かせませんが、それでも必死に動かすことによって車いすの操作がうまくなっていきました。
次は、シャトルキャッチです。舞い上がったシャトルが落ちてくるのを見計らって急いで移動し、手を伸ばします。落ちる位置はわかっていても、車いすの操作が追い付かず、子どもたちは苦戦しつつも元気に「はい!はい!」と参加。キャッチできた時の喜ぶ姿が印象的でした。
これら2つの体験終えたあと、アンコールや「もっとやりたい!」といった声が上がり、とても盛り上がりました。
最後は質問タイム。「世界中に友達は何人いるの?」「トイレやお風呂はどうするの?」など、気になることを子どもたちが次々に質問し、長島選手は一つひとつ丁寧に答えていました。