体験会事例 パラテコンドー体験会

主催者
運動療育で生きる力を育む シエル中町教室
講師
伊藤力選手、大津恵美子選手
伊藤選手、大津選手の掛け声に合わせて練習をする子どもたち①
開催日
  • 2024.11.09(土)
場所
  • サン町田旭体育館(町田市)
対象
  • 放課後デイサービスなど児童発達支援を行っている、シエル中町・長沼教室に通う未就学児~小学生
参加人数
  • 約45名

選手と知的・発達障がいなどの子どもたちがパラテコンドーを通じて交流

事故により上肢に障がいを受障した伊藤選手と大津選手ですが、運動好きであったことからパラテコンドーに取り組むようになり、現在では日本代表レベルの選手になりました。国際大会にも多く出場し、メダル獲得など輝かしい成績を残しています。

そんなお二人にパラテコンドー日本代表チームの山本健盛コーチも加わった3人で、休憩も多く入れながら、約2時間のパラテコンドー体験会が行われました。まずは3人で子どもたちを迎え入れ、「よろしくお願いします!」とお互いに礼。

「楽しく」「疲れたら休む」「人や動物、ものは蹴らない」との約束ごとを子どもたちに伝えると、すぐにからだを動かします。韓国語で1,2,3を意味する「ハナ、トゥル、セッ」との掛け声にあわせ、子どもたちはまずは準備運動を行いました。

その後は基本の前蹴りから、横蹴り、後ろ蹴りまで。講師の手本を見ながら、子どもたちも蹴りを行います。今日のイベントのために数週間前から練習していたそうで、中には選手が驚くほど上手な子もいました。

上手な子どもは前に出て、蹴りを披露しました。子どもたちはとても嬉しそうな表情や、得意げな表情を見せていました。保護者にも手伝ってもらいミット打ちも行いました。回数を重ねるうちに、特に高学年の子どもは選手のように「バチーン」といい音が出るようになりました。

時間が経つにつれ、子どもたちと選手のコミュニケーションが深まっていき、休憩中も「もっと蹴りたい!」と意気込む子や、伊藤選手の腕を触り「なんで(腕が)ないの?」と尋ねるなどの、交流が見られました。

山本コーチが手本となった体験では、手も使ったプムセという型を行いました。全員で大きな声を出しながら、相手のパンチを交わすガードの型など行い、最後は保護者も加わり集合写真を撮って終了。講師にはお菓子入りの首輪がプレゼントされ、和やかな雰囲気で終了しました。



会場全景
伊藤選手、大津選手の掛け声に合わせて練習をする子どもたち②
ミットを目がけてけりの練習をする子どもたち




伊藤選手より

伊藤力選手

知的障がいのある人との交流は経験があり、今回もスムーズに体験会を進める事ことができました。そもそも、健常者と行うイベントと特に変わりませんし、ミットを蹴るなどしっかりと目的を掲げてあれば、障がいの有無は関係なく、積極的に動いてくれる。このように感じています。
健常者は考え過ぎて動かない子もいますが、逆に障がいのある子どもの方が積極的にチャレンジするとも思っています。実際、休憩中も「ミット蹴りしたい!」と元気があり余っている子もいましたからね。
テコンドーも含め、さまざまなパラスポーツがあります。多くの子どもたちに知ってもらうと同時に、できれば体験もして、みんなで楽しんでもらえればと思います。

大津選手より

大津恵美子選手

腕をけがする前から、知的障がいや発達障がいの子どもたちに、水泳や陸上などを通じた運動療育や学習支援を行う活動をしています。ただこちらの支援は基本、マンツーマンで行っています。一方、今日のイベントは集団でした。正直、最初は難しいかなと思っていましたが、いざやってみるとみな活き活きと楽しそうで、大きな学びを得る場にもなりました。
障がい者になって感じることは、みな、気にし過ぎだということです。誰もが障がいを気にしないで交流し合う。そんな世の中になるといいな、と思っています。

本物のアスリートに身近に触れる機会を持てた

シエルでは「運動療育で生きる力を育む」との理念を掲げていますが、本日のように、一流のパラアスリートと身近に触れ合い直接指導していただく機会は、これまでありませんでした。

今日のイベントという目標に向けて、数週間前から練習に取り組みました。実際に当日を迎え、自分の成果を一流のパラアスリートに見てもらい、褒めてもらう。このような貴重な体験や交流は、子どもたちの成長において、大きな経験になったと感じています。とてもありがたく、今後も積極的に開催、継続していきたいと考えています。

障がいのある子どもの親御さんは「どうせ、うちの子には無理」と、子どもの将来や可能性を諦めている方が少なくありません。そんな親御さんに、障がいがありながらも一流のパラスポーツ選手としてがんばっているお二人の姿を見てもらうことで、前向きになってもらいたい。そのような思いから、パラスポーツの選手をお呼びしています。

実際、イベント終了後「うちの子でも、パラテコンドーできますかね?」との質問があり、イベントの価値や手応えを感じています。これからも定期的に色々な競技のパラスポーツの選手をお呼びし、子どもたちの体験はもちろん、親御さんが前向きになる機会をたくさんつくっていきたいと考えています。

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