講演会事例 パラリンピアンの花岡伸和さんによる講演会

主催者
世田谷区立駒留中学校
講師
花岡伸和氏(パラ陸上)
生徒からのお礼の言葉をもらった後にその生徒とハイタッチをする花岡氏
開催日
  • 2023.12.25(月)
場所
  • 世田谷区立駒留中学校
対象
  • 世田谷区立駒留中学校の生徒
参加人数
  • 360名

気づきの種を撒き続けるパラリンピアン

12月25日(月)のクリスマスに世田谷区立駒留中学校にて全校生徒を対象とした講演会を開催。講師にはパラ陸上で活躍した花岡伸和氏を迎えました。花岡氏は2004年アテネ大会、2012年ロンドン大会のパラリンピック2大会に出場したパラリンピアンです。2021年開催の東京大会ではパラ陸上競技の解説者としても活躍されました。現在は一般社団法人日本パラ陸上競技連盟の常務理事を務める傍ら、19歳から続けてきた講演会活動では「よりよく生きるには」をメインテーマに精力的に活動を行なっているそうです。
今回は「未来の作り方」という主題で講演会が行われました。まずはご自身が取り組んできたパラ陸上のトラック競技を紹介。実際のレースの様子をスクリーンに映し出しながら競技を解説。レースの白熱した展開にゴールシーンに拍手が沸き起こりました。そして、持参された陸上競技で使用する車いすレーサーを生徒の一人に試乗してもらい、全校生徒の周りをグルっと一周。多くの生徒は初めて見るレーサーを興味深そうにまじまじと見つめていました。それから高校時代にバイク事故で半身不随になって気づいたスモールチャレンジとスモールステップの積み重ねの大切さ、物事を自分の意志で決めることの重要性、母に言われて気づいた「懲りないマインド」の強さなど、中学生の年代の心に刺さるであろう数々の気づきを伝えられていました。様々なエッセンスがギュッと1時間に凝縮された講演会になりました。関西出身の花岡氏の巧みな話術で生徒の笑顔は終始絶えず、生徒たちも花岡氏に身体ごと向け、最後まで積極的に参加されていました。



講演会中に笑顔で生徒に語り掛ける花岡氏




笑いの絶えないQ&Aを紹介!

Q お風呂はどうやって入っているんですか?
A 裸で入っています…そういうことじゃないですよね(笑)。車いすのまま湯船に浸かりはしません。車いすからお風呂場の床に降りて体や頭を洗って、湯船に入ります。床に降りた後は腕の力がないとダメなので、しっかり鍛えています。

Q もし歩けるようになったらどうしますか?
A それは決めています。僕が生きている間に医学が進歩して歩けるようになったら、奥さんと手を繋いでデートしたいなと思っています。僕は奥さんと出会った時には車いすになっていたので、自分の足で立って歩きたいなと思います。これ毎回言うと、女子生徒の好感度が爆上がりなので、皆さんも良かったら使ってみてください(笑)。

Q なんでずっとポジティブでいられるんですか?
A 僕ってポジティブに見えるじゃないですか。落ち込まないように諦めないぞと頑張りすぎる人間って思われたりしますが、めちゃめちゃ暗い時があります。例えば明石家さんまさんみたいな人は24時間そうかもしれないですけど(笑)、芸能人の方もカメラが回り出した瞬間に切り替える人もいます。人間ってそうやって切り替えられたらOKだと思っています。目標があることで落ち込むことは僕としては全く悪いことではないと思います。もうこれ以上はしんどいと思う時はしっかり落ち込んで、沼にどっぷり浸かることもありです。ただ、必ず沼から上がることが必要です。その時に手を貸してくれる人がいると沼から出やすくなると思います。



会場後方からの全景。多くの生徒が手を挙げて積極的に講演会に参加している様子




自分らしく生きてほしい

体育館中央に作られた花道を通って笑顔で手を振りながら退場する花岡氏

今回は「未来の作り方」という演題で講演会を行いました。多数派に同調することが楽な子もいると思いますが、集団から外れることに不安を覚えている子もいると思います。そんな子たちに講演会活動を通して、人と違って良い、ありのままで自分らしくいて良いんだよということを伝えています。中学生の年代だからこそ、そのように生きることが難しいことも理解できます。今回の講演会を聴いてくれた子どもたちの何人かでも、大人になった時に気づいてくれたら嬉しいなと思います。そのための気づきの種をこれからも撒き続けていきたいと思います。

依頼者コメント

中学生という多感で将来の土台となる大切な時期に自分自身との向き合い方などを花岡さんの生き方・考え方をとおして学んでほしいと思い、依頼させていただきました。当日は「未来の作り方」というテーマで生徒に寄り添いながら素敵なお話をしてくださいました。「懲りずにやること」「失ったものを数えずに残されたものを最大限活かすこと」生きていくうえでとても大切なことを生徒にお話していただき、感謝です。また学校に是非来ていただきたいです。ありがとうございました。

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