講演会/体験会事例 車いすフェンシングの加納慎太郎選手による講演会と体験会を実施

主催者
荒川区立第二瑞光小学校
講師
加納慎太郎選手
積極的な児童の多さに加納選手も笑顔で応えた
開催日
  • 2023.10.14(土)
場所
  • 荒川区立第二瑞光小学校
対象
  • 荒川区立第二瑞光小学校の児童・保護者
参加人数
  • 200名

あきらめない心、友達の大切さunderline

荒川区立第二瑞光小学校の児童・保護者を対象に、翌週に杭州アジアパラ競技大会を控えた車いすフェンシング日本代表の加納慎太郎選手を講師に迎え、講演会と体験会を実施しました。

会場の体育館前方には実際に競技で使用される車いすを固定するための「フレーム」と2台の競技用車いすを設置。2018年にインドネシアで行われたアジアパラ競技大会で獲得したメダルや、実際に使用する剣やマスクなども展示され、体育館に入ってきた児童たちは興味津々に眺めていました。加納選手は真っ白なフェンシングのユニフォームを身にまとって入場し、児童や保護者の大きな拍手で迎え入れていただきました。

講演会では加納選手が半生をスライドショーで振り返りました。障害を負った時のこと、車いすフェンシングとの出会い、東京2020パラリンピック競技大会へ出場などを中心にお話いただきました。「友達やサポートしてくれた人がいてくれたから、僕は夢をあきらめずに叶えることができました。何事もあきらめないことと今隣にいる友達のことをぜひ大切にしてほしい」というメッセージを児童へ送りました。

講演会後は体験会へ転換。加納選手はランニング用の義足に履き替え、5・6名の児童と一緒に体育館をぐるりと2周走りながら、体験会のウォーミングアップ。その後、先生と児童数名にパラフェンシングを体験していただきました。体験会では防御のみの加納選手を15秒間の間、剣で突いて得点を獲ることを目指す対戦形式で行われました。児童も実際の競技用車いすに乗ってマスクを着用して加納選手を突こうと剣を振りますが、鉄壁のディフェンスで得点をあげることができません。最後の児童との対戦では、終了間際に児童が得点を挙げると、この講演会で一番の盛り上がりをみせました。大いに盛り上がった講演会も最後にQ&Aコーナーが行われ終了。その後、保護者との講演会も実施。30名弱の保護者を前に、親目線の質問に答えてもらい、1時間半ほどの講演会はあっという間に終了しました。



児童が加納選手を見事に剣で突き、得点を知らせる赤いランプが付いた!




加納選手とのQ&Aを紹介!

Q 車いすフェンシングを始めようと思ったきっかけ何ですか?
A 幼い頃から剣道をしていて、障害を負ってからも続けていたのですが、東京2020パラリンピック競技大会が2013年に決まったことで、何か出場できる競技はないかと探し、同じ剣を使う車いすフェンシングを選び始めることにしました。

Q 車いすフェンシングの楽しさはどこにありますか?
A 相手との駆け引き、自分が積み上げてきたトレーニングをしっかり出すことができた時とかは楽しいですね。会場で応援をもらえたりするともっと頑張ろうって思います。

Q 試合の際にはどんなことを考えて試合に臨んでいますか?
A お互い剣が届く間合いで競技を行うので、考えている暇はなく、この攻撃が来たらこの防御、またはこの返し技を使うなどを練習時に身体に覚えさせて臨みます。

Q 一つのことを突き詰めていくモチベーションは何?
A 所属先やチームメイト、サポートしてくれる方々、仲間や家族を想うと頑張ろうと思うことができます。

Q 子供が失敗を繰り返すことが多いのですが、どうやったらうまくいくようになりますか?
A 僕も身近にいる人に口酸っぱく言われないとできない人間ですが (笑)。外国人のコーチに怒鳴られ続けながらではありますが、失敗は減っていきました。根気強さが必要かもしれません。



児童は講演会後にメダルや剣を興味深そうに見ながら教室に戻った




あきらめなければ夢は叶う

保護者も積極的に質問し、真摯に加納選手も回答しました

私のように障害を負って挫折をしても、あきらめずに目標に向かって頑張り続ければ夢は叶えることはできるってことを伝えたかったです。体験会も盛り上がってもらえ、これをきっかけにパラフェンシングにも興味をもってもらえたら嬉しいです。

参加者コメント

先日はありがとうございました。  加納選手は、ご自身の経験をもとに「行動し続けることの大切さ」「仲間の大切さ」「車いすフェンシングの魅力」について、児童にも分かりやすい講演をしてくださいました。  アジア大会のメダルやサーベルに触れる機会を設定してくださったり、教員や児童と本気で対決してくださったりするなど、体験を大切にしていただきました。貴重な体験をありがとうございました。

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