- 実施事例
- パラリンピアン講演会&陸上教室
講演会/指導者派遣事例 パラリンピアン講演会&陸上教室
- 主催者
- 豊島区立池袋第三小学校
- 講師
- 岩田悠希選手、下稲葉 耕己氏
- 開催日
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- 2022.12.07(水)
- 場所
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- 豊島区立池袋第三小学校
- 対象
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- 豊島区立池袋第三小学校 6年生
- 参加人数
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- 70名
同じ障害でも特徴は様々。
相手に合わせたサポート方法を見つけることが大切!
今回は「(第三小学校には)特別支援学級が設置されているが、児童同士の関わりが少ないため、岩田選手に来ていただくことで、知的障害のある方について知って欲しい」「3月から始まる長距離走の授業に向けて、早くカッコよく走るためのコツを教えて欲しい」という依頼のもと、知的陸上で東京2020パラリンピックに出場した岩田悠希選手と、日本パラリンピック委員会ナショナルコーチである下稲葉氏による講演会と体験会を実施しました。
講演会では下稲葉氏より「知的障害とは」「知的障害の特徴」「関わり方のポイント」についてお話いただきました。一般的な特性と岩田選手の特徴(物事へのこだわりが強い、得意な事とそうでない事の差が大きい など)についてのお話しでは「ひとえに知的障害といっても、人によって特徴は様々」であること、「相手に合わせた関わり方を心がける」ことが大切であると伝えてくださいました。
また、日頃から岩田選手と関わっている下稲葉氏から、「岩田選手との関わりの中で工夫しているポイント」についても、たくさんのエピソードとともにわかりやすくお話しいただきました。
「すごい!速い!」
―岩田選手VS代表児童による1km走対決!!―
後半はグラウンドに場所を移した後、特別支援学級の児童も加わって、陸上体験会を実施しました。はじめに「走る際の正しいフォーム」について、下稲葉氏の説明に続いて岩田選手がお手本を見せてくれた後、下稲葉氏にアドバイスをいただきながら、走る練習を繰り返しました。体験会の終盤は、代表児童と岩田選手による1km走対決を行い、児童は1人あたり3周・岩田選手は12周を走り、接戦が繰り広げられました。スタートからペースを落とさず走り続ける岩田選手に、「すごい。速すぎる!」「頑張って!」など、大きな歓声があがりました。
講師から児童へのメッセージでは、「苦手なことの裏側には、得意なことが隠れているかもしれない」「(相手が)苦手なことを克服するためのサポートとして、“こうあるべき”と決めつけずに相手に合わせた解決策を探すことが大切」であることをお話いただきました。
参加者コメント
本校の6学年で今回の企画をお願いしました。この学年は5年生までに車いすバスケ、ボッチャなど肢体不自由のパラスポーツについて体験してきました。そのため障害=肢体不自由の印象があったので今回は知的障害の方にお願いしました。講演会では、一緒に参加していただいた下稲葉コーチが、丁寧に障害のことについて説明をしてくださいました。子どもたちからは「知的障害の特徴やその支援法や解決法などを学ぶことができました。また、苦手なことの中には得意なことなどが隠れているかもしれないこと、走るのが楽になる方法など生活に役立つことなどをたくさん学ぶことができました。」「知的障害や自閉症はどんな特徴があるのかを知ることができました。もしこれから知的障害の方と接する機会があれば、イライラするのではなく気遣ってあげたいと思いました。」「私はいままで、知的障害の方と触れ合う機会がなく、知的障害がどのような障害なのかもはっきり理解していませんでした。しかし、今日の授業を通して知的障害の障害は人によって様々であり、その人に合わせた支援が必要であることが分かり、知的障害についての理解が深まりました。また、「苦手」なことがあっても、チャレンジすることで「得意」に変わることがあるという希望を岩田選手から教えてもらいました。「苦手の裏側には得意がある」、素敵な言葉だなと思います。私も、「苦手の裏側には得意がある」という言葉を胸に、苦手なことにもチャレンジしていきたいと思いました。」「自閉症という障害について物語式の本が学校にあったはずだから、読んでもっと理解を深めて誤解で相手を傷つけないようにしたい。」といった振り返りがありました。知的障害について詳しくお話をいただき、こどもたちもよりパラスポーツについての理解が深まるとてもよい講演会でした。
また、体験会では、長距離走について教えていただけました。岩田選手や、下稲葉コーチが楽に走れるコツを教えてくれました。児童からは「24Kmもあのペースで走り続けられるのがすごい!!と感じた。走り方のコツや、持久走のコツなどを教えてもらったので、頭に入れながら意識して3学期の体育を頑張りたい。」などの振り返りがありました。3学期の持久走にむけてもとてもよい指導をいただけました。
とてもよい講演会になりました。東京パラくる事務局のみなさんにも調整などしていただき、感謝申し上げます。ありがとうございました。
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講師コメント
下稲葉 耕己氏
貴重な機会をいただきありがとうございました。
「(知的障害のような)目に見えない障害」を表現するためには、実際に「関わり」を持ってもらうことが必要なのだな、と改めて感じました。私の話や岩田選手との関わりをとおして、少しでも知的障害についての理解に繋がればいいなと思います。また、児童の皆さんは3学期から長距離走の授業が始まると聞きましたので、少しでも走ることを好きになってもらえると嬉しいです。
岩田悠希選手
これからも頑張ります。応援よろしくお願いします。